南シャン州、高原のリゾート地カローで小さなカフェをやってます。
2016年にオープンしてもうすぐ2年になりますが、おかげさまで
町から少し離れているにも拘らず、結構お客さんが来てくれています。
そんなカフェの宣伝を兼ねて、以前日本語&ミャンマー語雑誌の
ミンガラネットワークに掲載させていただいた記事を掲載します。
ちょっと長いです。
2016年7月に南シャン州のカローでカフェをオープンしました。
何年も前から放置していた木造2階建ての小さな民家があったのですが、そこはトレッキングに行く外国人観光客やローカル観光客に人気のニーパヤー(竹の仏像パゴダ)を訪れる人たちが通る道のすぐ脇。何かお店でも開きたいなあとずっと思っていました。
そして2年前。私が代表を務めているNGO、南シャン州交流会が東京の増上寺で毎年行われているミャンマー祭りで南シャン州産のコーヒーを出品した時に、地元のコーヒー豆を使ったカフェを開こう!と思い立ったのでした。
カローの町から少し山の方に入った集落の中にある、ごく普通の農家の民家なのですが、高台にあって眺めは良好、近所からは村人のおしゃべりや子供たちの遊ぶ声が聞こえてきたりして、そんな現地に溶け込んだような雰囲気も悪くない。のどかで緑あふれるこの場所で、地元の豆だけを使ったコーヒーを楽しんでほしいと思いました。
というのも、ミャンマーの人たちからミャンマー産のコーヒー豆はあまりおいしくない、おいしいコーヒーなら外国産に限る、といった声を少なからず聞いていたこともあり、ちゃんと淹れたミャンマーのコーヒーはおいしいよ!ということをもっと知ってほしい気持ちもありました。だから焙煎は自家焙煎。新鮮な地元産の焙煎豆を注文をいただいてからドリップするという方法で、コーヒー本来のおいしさを少しでも引き出せるようにして提供することにしたのでした。
民家を改装してカフェにしようと決めてからあらためて家の中を確認してみると、そこで見たのは思った以上に傷んだ部屋。壁はひびが入りガラスは割れていて、1階は農機具などが置かれた倉庫になっていました。埃やらクモの巣やらでかなり汚れている。最初はちょっとくじけそうになりましたが、とにかくまずは室内を綺麗にしようということで大掃除を行いました。予算はあまりかけたくなかったのでやれることは自分たちでやりました。
リフォーム前の2階の様子。室内は思った以上に傷んでいた。
1階は倉庫そのもの。これがカフェになるのか…?
それから人を雇って壁のヒビを埋めたり塗装し直したり、むき出しの天井を覆うなどしてリフォーム作業を敢行。2階の木の床は年季が入っていましたが、それをむしろ活かすかたちでそのままニスを塗ってみたりしました。
テーブルとイスはこの店の印象に合いそうなものがカロー周辺でもヤンゴンでもなかなか見当たらず、思い切って地元の大工さんに作ってもらいました。カウンターテーブルも地元産。参考になりそうな写真を色々と送ってあとは現地にお任せ。まったく写真と同じものを作ってもらうよりも、地元の人の色が多少は出る方が面白いと思ってあまり細かい注文は
つけずに依頼しました。不安もありましたが、内装もテーブル・椅子も結果は上々。予算は結構オーバーしてしまいましたが…。とはいえなかなか田舎カフェらしい雰囲気の店内になっていきました。
2階はその後こうなりました!
備品のいくつかはは日本から持って来ました。焙煎機は値段と性能が見合うものがミャンマーでは見つからず、日本の小規模な喫茶店でよく使われているという日本製の小型のものを2台導入。エスプレッソマシンは同型のものが日本では半額以下だったのでこちらも日本から。他にコーヒーミルやグラインダーなど、まあみんなそれほど本格的なものではないんですが諸々を揃えていくとだんだんカフェらしくなってきました。
現在の1階の様子。カウンターや椅子、備品などを設置していくとそれらしくなっていきました。
次の懸念事項は外観。まんま普通の、いやどちらかというとちょっと貧相な民家なものですからこれをどのようによりまともに見せるか。結局あまりお金はかけられないのでとりあえずは壁を塗ってみました。それでもまあ当初よりはまし。お店をやりながら少しずつ工夫していくことにしました。
庭もそこそこ広さがあるので席を設けようと思ったのですが予算と相談の結果当初は断念することに。
リフォーム前の外観と庭。
こちらは最近の庭の様子。テーブルや傘、芝生などを追加しました。コーヒーの木も植えています。
本当は水かけ祭りの前までにオープンさせる予定だったのですが、結局は7月になってしまいました。流石に何もかも現地にお任せにはできないので、ある程度工事が進んだらこちらが実際に状況を確認するまでは作業を待ってもらっていたのですが、普段はヤンゴンで仕事をしていて2ヶ月に1回くらいのペースでしか現地を見に行くことができなかったため、時間がかかりました。
カフェの名前ですが、カローのカフェなのでそのまんまcafe kalaw。覚えやすさを一番にしたいのと、代表的なカローのカフェでありたいという気持ちもありました。
店の看板を頼んだらこんな感じになりました。ブラックボードには地元の豆を自家焙煎で提供していることを英語で表記。
…次回に続く!
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